物価上昇や最低賃金の引上げなどの影響を受けて、賃上げに向けた動きが加速しています。賃金を支払うための原資を確保するためには、単位時間あたりの生産性を向上させることが欠かせません。
一方、生産性を向上させるには、従業員の働き方を変えるための研修や職業訓練、新たな人材の確保、機器の導入など、様々な面での投資が必要になります。これを企業の自助努力だけで賄うのは大変です。
そこで、本稿では、働き方改革関連の助成金の中でも、企業の生産性向上を支援する助成金の概要・申請方法・申請のポイントを紹介します。
1.働き方改革推進支援助成金(4種類)
1)助成金の概要、用途
中小企業が労働時間の短縮など、働き方改革に取り組むのを後押しするための助成金です。
例えば、働き方改革推進支援助成金の「労働時間短縮・年休促進支援コース」を利用すると、36協定の時間外・休日労働の時間数の縮減等をした際などに助成を受けられます。労働時間短縮のために実施した研修や、労働時間を管理するために導入した機器の費用などが補填されるイメージです。
従業員の自助努力だけで働き方改革を成し遂げるのは大変ですが、この助成金を活用すれば、企業が主体的に従業員をバックアップすることができるでしょう。
なお、残業削減のための取り組みのポイントなどについては、次のコンテンツで分かりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
中小企業の残業代はどうなる?2023年4月以降の賃金コスト上昇への対応策や残業削減策を紹介
2)助成金を申請できる対象事業者、助成金額
助成金を申請できる対象事業者は、次の各コースの要件を満たす企業です。ただし、いずれも対象は労災保険の適用を受ける中小企業に限られ、助成金額はコースによって異なります。
なお、要件などの詳細については、厚生労働省ウェブサイトをご確認ください。
厚生労働省「労働時間等の設定の改善(働き方改革推進支援助成金)」
①労働時間短縮・年休促進支援コース
生産性を向上させ、時間外労働の削減、年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組んだ場合に助成を受けられます。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
成果目標の達成 | 成果目標として以下のいずれかを達成し、年5日の年休(年次有給休暇)の取得に向けて就業規則等を整備している状況で、支給対象となる取り組み(注1)を実施した場合 成果目標 (1)36協定の設定時間数の縮減 (2)年休の計画的付与制度の導入 (3)時間単位年休+1つ以上の特別休暇(注2)の導入 |
以下のいずれか低い額 ●対象経費の合計額×補助率(3/4または4/5(注3)) ●成果目標の上限額と「賃上げに関する加算」の合計額 (1)36協定の設定時間数の縮減:上限200万円 (2)年休の計画的付与制度の導入:25万円 (3)時間単位年休+1つ以上の特別休暇の導入:25万円 ※助成金は異なる成果目標ごとに受給可 |
以下のいずれか低い額 ●対象経費の合計額×補助率(3/4または4/5(注3)) ●成果目標の上限額と「賃上げに関する加算」の合計額 (1)36協定の設定時間数の縮減:上限150万円 (2)年休の計画的付与制度の導入:25万円 (3)時間単位年休+1つ以上の特別休暇の導入:25万円 ※助成金は異なる成果目標ごとに受給可 |
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賃上げに関する加算 | 指定する従業員について、3%以上または5%以上の賃上げを実施することを成果目標に加えた場合 ※2025年度は、7%以上の賃上げに対する加算枠を新設予定 |
賃上げ率と対象従業員の数に応じ、以下のとおり ●(3%以上)15万~150万円 ●(5%以上)24万~240万円 ※従業員数が30人以下の場合、加算額は上の2倍 |
賃上げ率と対象従業員の数に応じ、以下のとおり ●(3%以上)6万~60万円 ●(5%以上)24万~240万円 ●(7%以上)36万~360万円 ※従業員数が30人以下の場合、加算額は上の2倍 |
(出所:厚生労働省「令和6年度『働き方改革推進支援助成金』労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内(リーフレット)」「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」に記載されているものです。
(注1)支給対象となる取り組みは、次の9種類です。なお、研修には、勤務間インターバル制度に関するもの、業務研修も含みます。また、6.~9.に関しては原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
- 労務管理担当者に対する研修
- 従業員に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 人材確保に向けた取り組み
- 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
- 労務管理用機器の導入・更新
- デジタル式運行記録計の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(注2)対象となるのは、病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇です。
(注3)助成率が4/5となるのは、従業員数が30人以下で、(注1)の取り組みのうち「6.労務管理用ソフトウェア」「7.労務管理用機器」「8.デジタル式運行記録計」「9.労働能率の増進に資する設備・機器等」のいずれかの導入・更新を行い、その費用が30万円を超えた場合です。
②業種別課題対応コース
2024年4月1日から「時間外労働の上限規制」の適用対象となった建設業、運送業、病院等、砂糖製造業の中小企業が生産性を向上させ、時間外労働の削減などに取り組んだ場合に助成を受けられます。なお、中小企業の判断基準で用いられる資本金または出資額要件については、病院等のみ5,000万円以下の中小企業が対象になります(建設業、運送業、砂糖製造業は3億円以下)。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
成果目標の達成 | 成果目標として以下のいずれかを達成し、年5日の年休(年次有給休暇)の取得に向けて就業規則等を整備している状況で、支給対象となる取り組み(注1)を実施した場合 成果目標(注2) (1)36協定の設定時間数の縮減 (2)年休の計画的付与制度の導入 (3)時間単位年休+1つ以上の特別休暇(注3)の導入 (4)勤務間インターバル制度の導入 (5)所定休日の増加(建設業のみ) (6)労務管理体制の構築等、医師の労働時間の実態把握と管理(病院等のみ) (7)勤務割表の整備(砂糖製造業のみ) |
以下のいずれか低い額 ●対象経費の合計額×補助率(3/4または4/5(注4)) ●成果目標の上限額と「賃上げに関する加算」の合計額 (1)36協定の設定時間数の縮減:上限250万円 (2)年休の計画的付与制度の導入:25万円 (3)時間単位年休+1つ以上の特別休暇の導入:25万円 (4)勤務間インターバル制度の導入:業種に応じ、上限120万~170万円 (5)所定休日の増加(建設業のみ):上限100万円 (6)労務管理体制の構築等、医師の労働時間の実態把握と管理(病院等のみ):50万円 (7)勤務割表の整備(砂糖製造業のみ):350万円 ※助成金は異なる成果目標ごとに受給可 |
以下のいずれか低い額 ●対象経費の合計額×補助率(3/4または4/5(注4)) ●成果目標の上限額と「賃上げに関する加算」の合計額 (1)36協定の設定時間数の縮減:上限250万円 (2)年休の計画的付与制度の導入:25万円 (3)時間単位年休+1つ以上の特別休暇の導入:25万円 (4)勤務間インターバル制度の導入:業種に応じ、上限150万~170万円 (5)所定休日の増加(建設業のみ):上限100万円 (6)労務管理体制の構築等、医師の労働時間の実態把握と管理(病院等のみ):50万円 (7)勤務割表の整備(砂糖製造業のみ):350万円 ※助成金は異なる成果目標ごとに受給可 |
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賃上げに関する加算 | 指定する従業員について、3%以上または5%以上の賃上げを実施することを成果目標に加えた場合 ※2025年度は、7%以上の賃上げに対する加算枠を新設予定 |
賃上げ率と対象従業員の数に応じ、以下のとおり ●(3%以上)15万~150万円 ●(5%以上)24万~240万円 ※従業員数が30人以下の場合、加算額は上の2倍 |
賃上げ率と対象従業員の数に応じ、以下のとおり ●(3%以上)6万~60万円 ●(5%以上)24万~240万円 ●(7%以上)36万~360万円 ※従業員数が30人以下の場合、加算額は上の2倍 |
(出所:厚生労働省「令和6年度『働き方改革推進支援助成金』業種別課題対応コースのご案内(リーフレット)」「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」に記載されているものです。
(注1)支給対象となる取り組みは、次の9種類です。なお、研修には、勤務間インターバル制度に関するもの、業務研修も含みます。また、6.~9.に関しては原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
- 労務管理担当者に対する研修
- 従業員に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 人材確保に向けた取り組み
- 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
- 労務管理用機器の導入・更新
- デジタル式運行記録計の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(注2)申請する企業の業種によって、成果目標に条件が課される場合があります。
- 「(4)勤務間インターバル制度の導入」を成果目標とする場合、過去2年間に月45時間を超える時間外労働があること
- 「(5)所定休日の増加(建設業のみ)」を成果目標とする場合、所定休日が4週あたり4日~7日であること
(注3)対象となるのは、病気休暇、教育訓練休暇、ボランティア休暇、不妊治療のための休暇、時間単位の特別休暇です。
(注4)助成率が4/5となるのは、従業員数が30人以下で、(注1)の取り組みのうち「6.労務管理用ソフトウェア」「7.労務管理用機器」「8.デジタル式運行記録計」「9.労働能率の増進に資する設備・機器等」のいずれかの導入・更新を行い、その費用が30万円を超えた場合です。
③勤務間インターバル導入コース
勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設ける勤務間インターバル制度の導入などを行った場合に助成を受けられます。なお、ここでの「勤務間インターバル」とは、休息時間数を問わず、就業規則等で「終業から次の始業までの休息時間を確保することを定めているもの」を指します。そのため、単に「○時以降の残業を禁止、○時以前の始業を禁止とする」などと定めているだけの場合は対象になりません。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
成果目標の達成 | 成果目標として以下のいずれかを達成し、36協定が締結・届出済みかつ過去2年間に月45時間超の時間外労働の実態があり、年5日の年休(年次有給休暇)の取得に向けて就業規則等を整備している状況で、支給対象となる取り組み(注1)を実施した場合 成果目標 (1)制度(休息時間数9時間以上)の新規導入 (2)制度(休息時間数9時間以上)の適用範囲の拡大 (3)制度(休息時間数9時間未満)の時間延長 |
●対象経費の合計額×補助率(3/4または4/5(注2))。ただし、以下の上限額を超える場合、上限額まで (1)制度(休息時間数9時間以上)の新規導入:上限120万円 (2)制度(休息時間数9時間以上)の適用範囲の拡大:上限60万円 (3)制度(休息時間数9時間未満)の時間延長:上限60万円 ※助成金は異なる成果目標ごとに受給可 |
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賃上げに関する加算 | 指定する従業員について、3%以上または5%以上の賃上げを実施することを成果目標に加えた場合 ※2025年度は、7%以上の賃上げに対する加算枠を新設予定 |
賃上げ率と対象従業員の数に応じ、以下のとおり ●(3%以上)15万~150万円 ●(5%以上)24万~240万円 ※従業員数が30人以下の場合、加算額は上の2倍 |
賃上げ率と対象従業員の数に応じ、以下のとおり ●(3%以上)6万~60万円 ●(5%以上)24万~240万円 ●(7%以上)36万~360万円 ※従業員数が30人以下の場合、加算額は上の2倍 |
(出所:厚生労働省「令和6年度『働き方改革推進支援助成金』勤務間インターバル導入コースのご案内(リーフレット)」「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」に記載されているものです。
(注1)支給対象となる取り組みは、次の9種類です。なお、研修には、勤務間インターバル制度に関するもの、業務研修も含みます。また、6.~9.に関しては原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
- 労務管理担当者に対する研修
- 従業員に対する研修、周知・啓発
- 外部専門家によるコンサルティング
- 就業規則・労使協定等の作成・変更
- 人材確保に向けた取り組み
- 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
- 労務管理用機器の導入・更新
- デジタル式運行記録計の導入・更新
- 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
(注2)助成率が4/5となるのは、従業員数が30人以下で、(注1)の取り組みのうち「6.労務管理用ソフトウェア」「7.労務管理用機器」「8.デジタル式運行記録計」「9.労働能率の増進に資する設備・機器等」のいずれかの導入・更新を行い、その費用が30万円を超えた場合です。
④団体推進コース
事業主団体等(中小企業の団体やその連合団体)が、傘下の構成事業主(従業員を雇用する企業)の従業員について、労働条件を改善するために時間外労働の削減や賃上げに向けた取り組みを実施した場合に助成を受けられます。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
成果目標の達成 | 事業主団体(3事業主以上)または共同事業主(10事業主以上)が、成果目標として以下を達成し、支給対象となる取り組み(注1)を実施した場合 成果目標 事業実施計画で定める時間外労働の削減または賃金引上げに向けた改善事業の取り組みを行い、構成事業主の1/2以上に対し、その取り組みまたは取り組み結果を活用すること |
以下のいずれか低い額 ●対象経費の合計額 ●総事業費から収入額(例:試作品を試験的に販売し、収入が発生する場合)を控除した額 ●成果目標の上限額 (1)通常:500万円 (2)複数地域で構成する事業主団体(傘下企業数が10社以上)等の場合:1,000万円 |
(出所:厚生労働省「令和6年度『働き方改革推進支援助成金』団体推進コースのご案内(リーフレット)」「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」に記載されているものです。
(注1)支給対象となる取り組みは、次の10種類です。
- 市場調査の事業
- 新ビジネスモデル開発、実験の事業
- 材料費、水光熱費、在庫等の費用の低減実験(労働費用を除く)の事業
- 下請取引適正化への理解促進等、労働時間等の設定の改善に向けた取引先等との調整の事業
- 販路の拡大等の実現を図るための展示会開催及び出展の事業
- 好事例の収集、普及啓発の事業
- セミナーの開催等の事業
- 巡回指導、相談窓口設置等の事業
- 構成事業主が共同で利用する労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新の事業
- 人材確保に向けた取り組みの事業
3)助成金の申請方法、申請のポイント
助成金を申請する際は、各コースの支給申請書に必要事項を記載し、所轄の労働局雇用環境・均等部(室)に提出します。電子申請も可能となっています。
申請して助成金を受け取るために知っておきたいポイントは次の3点です。
- どのコースも申請受付は毎年11月末までとなっているため、早めの準備が必要です。また、交付決定の日から一定の期日までの間に、支給対象となる取り組みを実施する必要があります。
- 労働時間短縮・年休促進支援コース、業種別課題対応コース、勤務間インターバル導入コースは、「労務管理用ソフトウェア」「労務管理用機器」「デジタル式運行記録計」「労働能率の増進に資する設備・機器等」の導入・更新にも適用されますが、原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象とならないので注意が必要です。
- 団体推進コースは、時間外労働の削減または賃金引上げに向けた改善事業の取り組みについて、事前に「事業実施計画」で定める必要があります。
2.人材確保等支援助成金(3種類)
1)助成金の概要、用途
企業や事業協同組合等が人材を確保するために、雇用管理改善等の取り組みを通じて、魅力的な職場をつくるのを支援する助成金です。
例えば、従業員のニーズを考慮しながら賃金制度や人事評価制度を見直すことは、職場定着につながります。中小企業の集まりである事業協同組合等が、雇用管理に関する事例集を作成したりセミナーを実施したりすれば、傘下の中小企業の意識改革にもつながります。人材確保等助成金はこうした助成金を確保するためのものです。
2)助成金を申請できる対象事業者、助成金額
助成金を申請できる対象事業者は、コースごとに要件が異なります。様々なコースがありますが、ここでは厚生労働省「令和7年度概算要求の概要 (職業安定局、雇用環境・均等局)」に記載のある「雇用管理制度助成コース」「中小企業団体助成コース」「テレワークコース」を紹介します。
なお、要件などの詳細については、厚生労働省ウェブサイトをご確認ください。
厚生労働省「人材確保等支援助成金のご案内」
①雇用管理制度助成コース
企業が、賃金制度や人事評価制度の見直しなど、職場定着につながる取り組みを実施した場合に助成が受けられます。申請にあたっては、事前に雇用管理制度整備計画の認定を受ける必要があります。雇用管理制度整備計画の受付は、2022年度から長らく停止されていましたが、2025年度から再開予定です。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
目標達成助成 | 雇用管理制度整備計画の認定を受け、計画に基づき雇用管理制度を導入・実施した上で、離職率の低下目標(注1)を達成した場合 | ●57万円 | ●1制度導入につき、20万円。賃金規程・諸手当制度、人事評価制度については40万円(上限80万円) ●賃上げ要件を満たした場合、各支給額の25%分を上乗せ支給 |
(出所:厚生労働省「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」「令和7年度概算要求の概要(職業安定局)」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度概算要求の概要(職業安定局)」に記載されているものです。
(注1)低下させる離職率の目標値は対象事業所における雇用保険一般被保険者数に応じて変わります((1~9人)15%、(10~29人)10%、(30~99人)7%、(100~299人)5%、(300人以上)3%)。
②中小企業団体助成コース
中小企業の集まりである事業協同組合等が、中小企業労働環境向上事業(雇用管理に関する事例集の作成やセミナーの実施など、人材確保や職場定着につながる事業)を実施した場合に助成が受けられます。申請にあたっては、事前に雇用管理の改善に係る改善計画の認定を受ける必要があります。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
中小企業労働環境向上事業実施 | 雇用管理の改善に係る改善計画の認定を受け、計画に基づき中小企業労働環境向上事業を実施した場合 | ●事業に要した費用の2/3 (構成中小企業者の数に応じ、上限600万~1,000万円) |
(出所:厚生労働省「人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)」「令和7年度概算要求の概要(職業安定局)」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度概算要求の概要(職業安定局)」に記載されているものです。
③テレワークコース
中小企業が、良質なテレワークを制度として導入・実施することにより、人材確保や雇用管理改善等の観点から効果を上げた場合に助成が受けられます。テレワークを導入する場合だけでなく、既に導入している企業が実施を拡大する場合も対象になります。申請にあたっては、事前にテレワーク実施計画の認定を受ける必要があります。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
機器等導入助成 ※2025年度は、「制度導入助成」に名称変更予定 |
テレワーク実施計画の認定を受け、計画に基づきテレワークに関する取り組み(注1)を実施し、テレワーク実施対象者のテレワーク実施状況が一定の基準(注2)を満たした場合 | ●1企業あたり支給対象となる経費の50%(以下のいずれか低い額を上限とする) ・1企業あたり100万円 ・テレワーク実施対象者1人あたり20万円 |
●定額支給 ・1企業あたり20万円 |
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目標達成助成 | 離職率に係る目標(注3)を達成し、実際にテレワークを実施した従業員数が一定の基準(注4)を超えた場合 | ●1企業あたり支給対象となる経費の15%、賃金要件を満たす場合は25%(以下のいずれか低い額を上限とする) ・1企業あたり100万円 ・テレワーク実施対象者1人あたり20万円 |
●定額支給 ・1企業あたり10万円、賃金要件を満たす場合は15万円 |
(出所:厚生労働省「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」「令和7年度概算要求の概要(雇用環境・均等局)」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度概算要求の概要(雇用環境・均等局)」に記載されているものです。
(注1)支給対象となる取り組みは、次の5種類です。
- 就業規則・労働協約・労使協定の作成・変更
- 外部専門家によるコンサルティング
- テレワーク用通信機器等の導入、運用
- 労務管理担当者に対する研修
- 従業員に対する研修
(注2)次のいずれかの基準を満たす必要があります。なお、既にテレワークを導入している企業がその実施を拡大する場合の申請については、以下に加えて評価期間(機器等導入助成)の延べテレワーク実施回数を計画提出前3か月と比べて25%以上増加させる必要があります。
- 評価期間(機器等導入助成)において、1回以上、テレワーク実施対象労働者全員がテレワークを実施する
- 評価期間(機器等導入助成)にテレワーク実施対象者が、週平均1回以上テレワークを実施する
(注3)次のいずれかの目標を達成する必要があります。
- 評価期間後1年間の離職率が、計画提出前1年間の離職率以下であること
- 評価期間後1年間の離職率が30%以下であること
(注4)評価期間(目標達成助成)に、1回以上テレワークを実施した従業員数が、評価期間(機器等導入助成)初日から1年を経過した日における事業所の労働者数に、計画認定時点における事業所の従業員全体に占める対象者の割合を掛け合わせた人数以上である必要があります。
3)助成金の申請方法、申請のポイント
助成金を申請する際は、各コースの支給申請書に必要事項を記載し、所轄の都道府県労働局等(ハローワークも可の場合がある)に提出します。電子申請も可能となっています。
申請して助成金を受け取るために知っておきたいポイントは次の2点です。
- 「雇用管理制度助成コース」の申請にあたっては雇用管理制度整備計画を、「中小企業団体助成コース」については雇用管理の改善に係る改善計画を、「テレワークコース」についてはテレワーク実施計画を、事前に都道府県労働局等に提出し認定を受ける必要があります。
- 「テレワークコース」はテレワークを導入する場合だけでなく、実施を拡大する場合も対象になりますが、導入する場合に比べ、助成金の支給が認められる基準がやや厳しくなる点に注意が必要です。
3.人材開発支援助成金(4種類)
1)助成金の概要、用途
企業が従業員の人材育成・スキルアップのための取り組みを実施した場合に受け取れる助成金です。
例えば、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施したり、教育訓練を受けるための休暇を有給にしたりした場合などが対象になります。この助成金を使って人材育成・スキルアップを図ることで、単位時間あたりの生産性向上が図れるかもしれません。
2)助成金を申請できる対象事業者、助成金額
助成金を申請できる対象事業者は、次の各コースの要件を満たす企業です。様々なコースがありますが、ここでは厚生労働省「令和7年度概算要求の概要 (人材開発統括官)」に記載のある「人材育成支援コース」「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」を紹介します。
なお、要件などの詳細については、厚生労働省ウェブサイトをご確認ください。
厚生労働省「人材開発支援助成金」
①人材育成支援コース
雇用保険の被保険者に対し、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練などを実施した場合に助成を受けられます。申請にあたっては、事前に職業訓練実施計画を作成し、都道府県労働局に届出る必要があります。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度(注1) | 2025年度(予定)(注1) | |||
人材育成訓練(OFF-JT訓練)? |
職業訓練実施計画を届出て、計画に基づき部内・部外講師によって行われる事業内訓練等を実施、または教育訓練施設で実施される事業外訓練等を受講した場合 | ●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・通常は760円(380円) ・賃金要件等を満たす場合は960円(480円) ●OFF-JTの経費助成: ・正社員は45%(30%) ・非正規社員は60% ・正社員化した場合は70% ・賃金要件等を満たす場合は15%ずつ加算(正社員化については100%助成) |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・通常は800円(400円) ・賃金要件等を満たす場合は1,000円(500円) ●OFF-JTの経費助成: ・正社員は45%(30%) ・非正規社員は70% ・賃金要件等を満たす場合は15%ずつ加算 |
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認定実習併用職業訓練(企業の中核人材を育てるための訓練) | 職業訓練実施計画を届出て、計画に基づき企業内におけるOJTと教育訓練機関等で行われるOFF-JTを受講、訓練終了後にジョブ・カードによる対象者の評価を実施した場合 | ●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・通常は760円(380円) ・賃金要件等を満たす場合は960円(480円) ●OFF-JTの経費助成: ・通常は45%(30%) ・賃金要件等を満たす場合は15%加算 ●OJTの実施助成(1人あたり) ・20万円(11万円) ・賃金要件等を満たす場合は25万円(14万円) |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・通常は800円(400円) ・賃金要件等を満たす場合は1000円(500円) ●OFF-JTの経費助成: ・通常は45%(30%) ・賃金要件等を満たす場合は15%ずつ加算 ●OJTの実施助成(1人あたり) ・20万円(11万円) ・賃金要件等を満たす場合は25万円(14万円) |
(出所:厚生労働省「人材開発支援助成金(人材育成支援コース)」「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」に記載されているものです。
(注1)()内の金額、パーセンテージは中小企業以外の場合のものです。
②教育訓練休暇等付与コース
有給の教育訓練休暇制度(3年間で5日以上)を導入し、従業員が当該休暇を取得して訓練を受けた場合に助成を受けられます。申請にあたっては、事前に「制度導入・適用計画」を作成し、都道府県労働局に届出る必要があります。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
教育訓練休暇等付与 | 制度導入・適用計画を届出て、有給の教育訓練休暇制度(3年間で5日以上)を導入し、従業員が当該休暇を取得して訓練を受けた場合 | ●経費助成: ・通常は30万円 ・賃金要件等を満たす場合は36万円 |
(出所:厚生労働省「人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース)」「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」に記載されているものです。
③人への投資促進コース
デジタル人材・高度人材を育成する訓練、従業員が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)等を実施した場合に助成を受けられます。申請にあたっては、事前に「制度導入・適用計画」や「職業訓練実施計画届」を作成し、都道府県労働局に届出る必要があります。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度(注1) | 2025年度(予定)(注1) | |||
高度デジタル人材訓練 | 制度導入・適用計画を届出て、次のいずれかの訓練を原則としてOFF-JTにより実施した場合 ●事業内訓練(企業自らが企画・主催・運営する訓練計画により行う訓練等) ●事業場外訓練(社外の教育訓練機関に受講料を支払い受講させる訓練等) |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・960円(480円) ●OFF-JTの経費助成: ・75%(60%) |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・1,000円(500円) ●OFF-JTの経費助成: ・75%(60%) |
|
情報技術分野認定実習併用職業訓練 | ●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・通常は760円(380円) ・賃金要件等を満たす場合は960円(480円) ●OFF-JTの経費助成: ・通常は60%(45%) ・賃金要件等を満たす場合は15%加算 ●OJTの実施助成(1人あたり) ・通常は20万円(11万円) ・賃金要件等を満たす場合は25万円(14万円) |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・通常は800円(400円) ・賃金要件等を満たす場合は1,000円(500円) ●OFF-JTの経費助成: ・通常は60%(45%) ・賃金要件等を満たす場合は15%加算 ●OJTの実施助成(1人あたり) ・通常は20万円(11万円) ・賃金要件等を満たす場合は25万円(14万円) |
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成長分野等人材訓練 | 制度導入・適用計画を届出て、次の訓練を原則としてOFF-JTにより実施した場合 ●事業場外訓練(社外の教育訓練機関に受講料を支払い受講させる訓練等) |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・960円(国内の大学院を利用した場合に助成) ●OFF-JTの経費助成: ・75% |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・1,000円(国内の大学院を利用した場合に助成) ●OFF-JTの経費助成: ・75% |
|
定額制訓練? | ●OFF-JTの経費助成: ・通常は60%(45%) ・賃金要件等を満たす場合は15%加算 |
●OFF-JTの経費助成: ・通常は60%(45%) ・賃金要件等を満たす場合は15%加算 |
||
自発的職業能力開発訓練 | ●OFF-JTの経費助成: ・通常は45% ・賃金要件等を満たす場合は15%加算 |
●OFF-JTの経費助成: ・通常は45% ・賃金要件等を満たす場合は15%加算 |
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長期教育訓練休暇制度 | ●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・通常は960円(760円) ・賃金要件等を満たす場合は中小企業以外のみ960円 ●OFF-JTの経費助成: ・通常は20万円 ・賃金要件等を満たす場合は24万円 |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・通常は1,000円(800円) ・賃金要件等を満たす場合は中小企業以外のみ1,000円 ●OFF-JTの経費助成: ・通常は20万円 ・賃金要件等を満たす場合は24万円 |
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教育訓練短時間勤務制度 | ●OFF-JTの経費助成: ・通常は20万円 ・賃金要件等を満たす場合は24万円 |
●OFF-JTの経費助成: ・通常は20万円 ・賃金要件等を満たす場合は24万円 |
(出所:厚生労働省「人材開発支援助成金(人への投資促進コース)」「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」に記載されているものです。
(注1)()内の金額、パーセンテージは中小企業以外の場合のものです。
④事業展開等リスキリング支援コース
新規事業の立ち上げなどの事業展開等に伴い、新たな分野で必要となる知識・技能を習得させるための訓練を実施した場合に助成を受けられます。申請にあたっては、事前に職業訓練実施計画を作成し、都道府県労働局に届出る必要があります。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度(注1) | 2025年度(予定)(注1) | |||
事業展開等リスキリング | 職業訓練実施計画を届出て、事業展開やDX・GXに伴い新たな分野で必要となる知識・技能を習得させるための訓練を実施した場合 | ●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・960円(480円) ●OFF-JTの経費助成: ・75%(60%) |
●OFF-JTの賃金助成(1人1時間あたり): ・1000円(500円) ●OFF-JTの経費助成: ・75%(60%) |
(出所:厚生労働省「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」に記載されているものです。
(注1)()内の金額、パーセンテージは中小企業以外の場合のものです。
3)助成金の申請方法、申請のポイント
助成金を申請する際は、各コースの支給申請書に必要事項を記載し、所轄の都道府県労働局に提出します。電子申請も可能です。
申請して助成金を受け取るために知っておきたいポイントは次の3点です。
- 「人材育成支援コース」「人への投資促進コース(長期教育訓練休暇等制度以外)」「事業展開等リスキリング支援コース」の申請にあたっては職業訓練実施計画を、「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース(長期教育訓練休暇等制度)」については制度導入・適用計画を、事前に都道府県労働局に届出る必要があります。
- 「教育訓練休暇等付与コース」「人への投資促進コース」については、制度導入・適用計画を届出る前に制度を導入すると、助成対象外になるので注意しましょう。また、届出後に計画内容に変更が生じる場合、所定期日までに変更届の提出が必要です。
- 「人への投資促進コース」は、事業内訓練や事業場外訓練を実施した場合に助成が受けられますが、事業内訓練について助成が行われるのは「高度デジタル人材訓練」「情報技術分野認定実習併用職業訓練」だけなので注意しましょう。
4.業務改善助成金
1)助成金の概要、用途
企業が事業場内最低賃金(最も賃金が低い従業員の時給)を30円以上引き上げ、生産性を向上させるための設備投資等を行った場合に受け取れる助成金です。
例えば、賃上げを実施しつつ、機械設備の導入、コンサルティング、人材育成・教育訓練などを実施した場合が対象になります。
2)助成金を申請できる対象事業者、助成金額
助成金を申請できる対象事業者は、「事業場内最低賃金が地域別最低賃金+50円以内」で、解雇や賃金引き下げ等の不交付事由に該当しない中小企業です。
なお、要件などの詳細については、厚生労働省ウェブサイトをご確認ください。
厚生労働省「業務改善助成金」
事業場内最低賃金を30円以上引き上げ、生産性を向上させるための設備投資等を行った場合に助成が受けられます。申請にあたっては、事前に設備投資等に関する事業実施計画を作成し、都道府県労働局の認定を受ける必要があります。
種類 | どんな場合に受け取れる? | いくら受け取れる? | ||
2024年度 | 2025年度(予定) | |||
事業場内最低賃金引上げ | 事業場内最低賃金を30円以上引上げ、生産性を向上させるための設備投資等を行った場合 | 「設備投資等の費用×助成率」と「助成上限額」を比較し、いずれか低いほうの額を支給 【助成率】 引上げ前の事業場内賃金に応じ、以下のとおり(注1) ●900円未満:9/10 ●900円以上950円未満:4/5(9/10) ●950円以上:3/4(4/5) 【助成上限額】 事業場内最低賃金の引上げ額と、引上げ対象となる従業員の数に応じ、以下のとおり(注2) ●30円以上:30万~120万円(60万~130万円) ●45円以上:45万~180万円(80万~180万円) ●60円以上:60万~300万円(110万~300万円) ●90円以上:90万円~600万円(170万円~600万円) |
「設備投資等の費用×助成率」と「助成上限額」を比較し、いずれか低いほうの額を支給 【助成率】 引上げ前の事業場内賃金に応じ、以下のとおり(注1) ●1,000円未満:4/5 ●1,000円以上:3/4 【助成上限額】 事業場内最低賃金の引上げ額と、引上げ対象となる従業員の数に応じ、以下のとおり(注2) ●30円以上:30万~120万円(60万~130万円) ●45円以上:45万~180万円(80万~180万円) ●60円以上:60万~300万円(110万~300万円) ●90円以上:90万円~600万円(170万円~600万円) |
(出所:厚生労働省「業務改善助成金」「令和7年度厚生労働省予算概算要求の主要事項」を基に作成)
※要件などの詳細については厚生労働省ウェブサイトの支給要領をご確認ください。
※【2025年度(予定)】の内容は、厚生労働省「令和7年度概算要求の概要(人材開発統括官)」に記載されているものです。
(注1)()内の補助率は、一定の生産性要件を満たした場合のものです。なお、2025年度からは生産性要件は廃止されます。
(注2)()内の助成上限額は、従業員数30人未満の場合のものです。なお、それぞれの助成上限額の最大値は、引上げ対象となる従業員数が10人以上の場合のものですが、この額を受け取るには一定の要件を満たす必要があります。
3)助成金の申請方法、申請のポイント
助成金を申請する際は、支給申請書に必要事項を記載し、所轄の都道府県労働局に提出します。電子申請も可能です。
申請して助成金を受け取るために知っておきたいポイントは次の2点です。
- 申請にあたっては、事前に設備投資等に関する事業実施計画を作成し、都道府県労働局の認定を受ける必要があります。事業実施計画等と、内容や金額が異なる設備を導入したりすると、助成金が不支給になる恐れがあります。
- 地域別最低賃金の発効に対応して事業場内最低賃金を引上げる場合、発効日の前日までに引上げる必要があります。
5.企業の生産性向上を支援する助成金に関する一問一答
1)働き方改革推進支援助成金に関連する「年休の時季指定義務」とは?
働き方改革推進支援助成金のうち、「労働時間短縮・年休促進支援コース」「業種別課題対応コース」を受給するには、交付申請時点で年5日の年休(年次有給休暇)の取得に向けて就業規則等を整備している必要があります。
これに関連するのが労働基準法の「年休の時季指定義務」です。年10日以上の年休が付与されている従業員(正社員など)には、従業員の意見を聴取した上で、企業が時季を指定して年5日の年休を取得させなければならないというルールです。
なお、従業員数が少ない企業などでは、周囲に気を使って年休をなかなか取得しない従業員もいます。そうした場合、「年休の計画的付与制度」を導入するのも1つの手です。これは、企業が過半数労働組合などと労使協定を締結することで、企業主導で年休の取得時季を予め決められる制度です(従業員の意見を聴取する義務が免除されます)。企業全体で一斉に年休を付与することも、チームや個人単位での交代制にすることもできます。
年休の時季指定義務や計画的付与制度の詳細については、こちらをご確認ください。
厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」
2)働き方改革推進支援助成金に関連する「時間外労働の上限規制」とは?
働き方改革推進支援助成金のうち、「業種別課題対応コース」は、2024年4月1日から「時間外労働の上限規制」の適用対象となった建設業、運送業、病院等、砂糖製造業の企業が対象です。改めて、法規制の内容を確認しておきましょう。
時間外労働の上限規制は、36協定に記載する時間外労働(つまり残業)の時間数に上限を設けるというルールで、2019年4月1日から始まりました。上記の企業については長らく適用が猶予されていましたが、その猶予措置が2024年3月31日をもって終了しました。
どの企業も、時間外労働は原則として「45時間、年360時間まで(病院等は一部例外あり)」となり、臨時的な特別な事情がある場合についても、業種・業務ごとに定められた上限にのっとって36協定の時間数を設定し、遵守しなければなりません。なお、運送業(自動車運転業務)の場合、拘束時間や休息時間について定めた「改善基準告示」の改正にも注意が必要です。
時間外労働の上限規制の詳細については、こちらをご確認ください。
厚生労働省「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)」
厚生労働省「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」
3)人材確保等支援助成金に関連する「テレワークの注意点」とは?
人材確保等支援助成金の「テレワークコース」は、テレワークを導入・実施する企業が対象になります。これまでテレワークを実施してこなかった企業が、新たに制度を導入する際などは、いくつか注意点があります。
例えば、新たに雇用する従業員をテレワークに従事させる場合、雇入れ時に交付する労働条件通知書などで「就業場所」を明示しなければなりません。自宅でテレワークを実施する想定であれば、自宅も就業場所に加えておく必要があります。2024年4月1日からは、雇入れ時の就業場所だけでなく、その変更範囲も明示することが求められていますから、将来的にテレワークに従事する可能性がある従業員に対しても、明示が必要になります。
セキュリティー面についても配慮が必要です。テレワークはコロナ禍を契機に利用が広がりましたが、そうした中でサイバー攻撃の深刻化などが問題になっています。トラブル防止のためのシステム管理と、従業員に対する端末使用時のルールの徹底などが必要になってきます。
テレワークの注意点の詳細については、こちらをご確認ください。
厚生労働省「テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン」
総務省「テレワークセキュリティガイドライン」
4)人材開発支援助成金に関連する「教育訓練給付金」とは?
「教育訓練給付金」とは、従業員が厚生労働大臣の指定する講座(指定講座)を受講・修了した場合、その入学料や受講料の一部が国から支給されるという雇用保険の給付です。一見すると制度の概要は人材開発支援助成金と似ていますが、人材開発支援助成金の支給対象は企業であり、教育訓練給付金の支給対象は従業員であるという点で大きく異なり、同じ教育訓練についてそれぞれ受給することが可能です。
教育訓練給付金は、
- 一般教育訓練:最長1年(原則)の短期間の教育訓練
- 特定一般教育訓練:最長1年の短期間の教育訓練で、ITスキルなどの分野に関するもの
- 専門実践教育訓練:1年以上3年以内(原則)の中長期の教育訓練で、大学院レベルあるいは特定の分野の専門的な知識を習得するためのもの
に分かれています。
教育訓練給付金の詳細については、こちらをご確認ください。
厚生労働省「教育訓練給付制度」
5)業務改善助成金に関連する「地域別最低賃金」とは?
最低賃金とは、企業が従業員に支払わなければならない賃金の最低額で、都道府県ごとに定められる「地域別最低賃金」と、特定の産業について定められる「特定最低賃金」があります。
地域別最低賃金は、毎年10月に改定されており、2024年10月以降の地域別最低賃金の改定額は、全国加重平均額で1,055円(過去最高の額)となり、前年の1,004円より51円の引上げ(5.1%増)となっています。
業務改善助成金は、事業場内最低賃金の引上げに伴って支給される助成金ですが、前述したとおり、地域別最低賃金の発効に対応して金額を引上げる場合、発効日の前日までに引上げる必要があります。
地域別最低賃金の詳細については、こちらをご確認ください。
厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」
以上
(監修 人事労務すず木オフィス 特定社会保険労務士 鈴木快昌)
生24-6255,法人開拓戦略室